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2017年2月17日

佐藤さとる先生が亡くなった。

ということが、今日報じられた。

そのニュースを知ったのは、Yahooニュースで。真っ先に誰かとこの思いを共有したいと思った。

私は佐藤さとる先生の作品をくまなく読んでいるわけではない。「だれも知らない小さな国」を読んで、あとはちょこちょこ、ぐらい。でも、「だれも知らない小さな国」は私の成長期に「何か」を残している。
それは形にはっきり残された影響というものではなく、血液の中の一滴に反映されたものに過ぎなくても、「佐藤さとるの世界」が映し出されているような気がする。

小さな人たちは私たちの身近にいる。

そういうファンタジーは、だれでも小さい頃に持っていたと思う。でもそれを肯定し続けて大人になる人はどれだけいるんだろうか。そういう気持ちが日々の生活に磨耗されて、消されていくのだとしたら、それがされなかった佐藤さとる先生はやはりすごいと思う。
私も、そういう感覚を少しは磨耗されずに成長したいと思った。結果的にそうではなかったのかもしれないけど。

少なからず、佐藤さとる先生は、私の生きかたに「何か」を残した。地元を愛する力、とか。
目を閉じていた部分に、「目を向けてもいいんだよ」と優しい言葉をかけていただいた気分。読書は、作家と読者のそういう対話が言語化されない部分で交わされるコミュニケーションの場だと思う。
もう一人、私の人生に大きな影響を与えてくれた三浦綾子さんの生きた旭川の街を歩いて、そう感じた。

明日から、佐藤さとる先生が少し生活の場とした、そして三浦綾子さんが生きた、北海道に向かう。

今は鬼籍に入ってしまった人たちが生きた場に、自分が赴く。ことばにならない部分で、自分が何を感じるのか、メモで残していけたら、と思う。
by haru-0425 | 2017-02-17 23:52 | 読書

13歳女児と8歳男児に鍛えられているWM。


by haru-0425
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