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方言1

2か月ほど前どこかのtwitterアカウントで流れてきた情報から知ったシンポジウム「ドラマと方言の新しい関係」というのを聞きに、早稲田大学へ行ってきました。その時FBで、こんなのあるんだって~と紹介したら、高校時代の友人も興味を持って、私も行きたいと。ということで、なんとも不思議に意気投合して、女二人で行ってきました。
早稲田大学はもうすっかり春。新入生を迎える準備ができたキャンパス♪
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我々が着座した時は、まだ開始前だったので、しばらくスクリーンに映し出された映像を見ていました。勿論、「カーネーション」「八重の桜」「あまちゃん」のダイジェスト♪
「八重の桜」にももちろんテンションあがったけれど、「カーネーション」のオープニングのテーマソングの椎名林檎の曲には、結構懐かしさも感じたり。あのドラマの激しさとは対極的な(でも実はヒロインの心中を表しているとも思う)旋律が好き。

そしていよいよお話し開始。
阪大の金水先生の役割語のお話しから、一般向けに、でも多少学術的な用語も加えつつ、お話が進みました。
以前はやはり方言をリアルに表すドラマは少なかったけれど、今はその現実性を前面に出す「本格方言ドラマ」というものが目立ってきたということ。今回取り上げられる3作品のほかに、「プリンセストヨトミ」という映画もそうらしい(見てないのでわからないけれど、そう紹介されるとみてみたくなる!)。
ただ、本格方言ドラマを作るとなると方言指導やその地方の方言を使いこなせる俳優さんを手配するなどと、コストはかかる。でもドラマに出てくる方言のクォリティは上がる。反面方言のクォリティは下がるけれども全国の視聴者にわかりやすくするという方向性もあるとのこと。テーマにもよるけれど、バランスが大切ってことなんだろうな。

そして日大の田中ゆかり先生によるドラマの中の方言使用の分析。ここは主に「あまちゃん」に関して。このドラマのヒロイン、アキは本来北三陸市(架空の街)出身ではないけれど、わざと自己流?のにせ方言を使っていく、それによって新しい自己を獲得していったとご説明。その中で「方言コスプレ」とか「ニセ関西弁」、「ニセ土佐弁」といった言葉を紹介してくれました。

面白かったのが早稲田大学演劇博物館館長の岡室先生のお話し。すごく偉い人なんだろうけど、失礼ながらきさくなドラマ好きのおばちゃんといった優しそうな女性。
この3作品の中で方言は重要な位置を占め、ヒロインのアイデンティティ形成に関連しているけれど、それぞれので方言の使い方、持つ意味が違う。
例えば八重は激動する時代の中で、生きる場所、立場、名前(姓)、職業、宗教などが転変する、しかしその中で用いる会津言葉のみが変わらない。これは会津言葉が会津の心、誇り、会津魂を表しているとおっしゃっていました。
(★この名前(姓)が変わるといったところで、先生、「八重は2回結婚するんですね、最初は長谷川さんと、2回目はオダギリジョーと。もう嫉妬してしまいますが。。。」と個人的なご意見。でもそれが視聴者みんなの意見を代弁しているようで、笑いを誘っていました)

一方「カーネーション」の糸子は岸和田から出ない生涯。その中で岸和田言葉を使っていた。岸和田と言えばだんじり。でも女性である糸子はだんじりは引けず、代わりにミシンを「だんじり」としていく。岸和田=だんじり=ミシンにとどまり続ける糸子を象徴するのが岸和田言葉とおっしゃっていました。(娘たちは反対に東京へ行ったりして東京言葉も身につけてたなぁ)

そして「あまちゃん」は、本来自分のものではない「(架空の)北三陸市」言葉を「方言コスプレ」として身につけていく姿、この嘘=フィクションが現実を乗り越えていく面白さが受けたのではというお話。つまりは架空の街も合わせて、嘘でもフィクションでもいいんだ。(「あまちゃん」はこの3作品の中ではあまり力を入れてみてたわけではなかったので、?の部分もあり。)

そんな感じで、3人の学術的な世界に身を置く方々の話を聞き、後半はNHKの「八重の桜」の内藤プロデューサー、「あまちゃん」の菓子プロデューサー、「カーネーション」の岸和田ことば指導をなさった林英世さんを加えたパネルディスカッションに入りました。<続く>
by haru-0425 | 2014-03-22 22:23 | 好きなこと

13歳女児と8歳男児に鍛えられているWM。


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