バルバラ!
2013年 02月 19日
先日、ドイツで知り合って以来ずっと仲良くしている親友と渋谷で会って、この映画を見に行きました。
「東ベルリンから来た女」
「バルバラ」というのは、本作の原題です。
日本に来て「東ベルリンから来た女」になったそうです。
1980年、ベルリンの壁が崩れる9年前、実際に起きたことなのかどうかは定かではないけれど、
これに近いことは起きていたんじゃないかと思われる。
なんとかっても、やはり冷戦の表舞台はベルリンであって、それ以外の東ドイツでもシュタージの眼は光っているような体制であったにもかかわらず、私たちは今そのことを振り返ろうともしない。
舞台はバルト海に面する東ドイツ北部。
ベルリンから左遷させられた女性の物語です。
裕福で自由な西に逃亡して恋人と「生活」するのか。
あるいはこのまま東ドイツで秘密警察の手先の奴らの監視下で、医師としての職務を続けるのか。
仕事を遂行する自分のアイデンティティを問う作品。
私たちが開く世界地図にはもう「ドイツ民主共和国」はないのだけれど、その地に潜む悲しい歴史に目を背けるままでいいのか、その時の記憶を持つ人たちが生きている間に、ライフストーリーを聞くことなくしていいのか。そんな気持ちが高まってきました。
何よりも、目をつけた相手には、全裸にして身体検査をする。
屈辱的で非人間的な扱いをしたような人間の歴史は、今からほんの少し前まで続いていたということも、忘れてはならないと思います。
そして私たちは互いに互いを疑い通告するような冷酷さを持った生き物であることも。
この話は遠い国の話だったけれど、日本だって戦争中までやっていたことなのだから、今だって一歩間違えれば同じことをしかねない。怖いものです。
人間の尊厳、職業に込める思い、人を愛するとは・・・後でパンフレットを見て、考えたりしました。
なによりも、あまり知りえなかった北ドイツ!
あんなに風が強いのか!!
by haru-0425
| 2013-02-19 22:19
| 好きなこと