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念願(加筆)

私は高校生の時から、三浦綾子の「氷点」を読み続けてきました。

罪とか許しとか重いテーマに正面から向かう小説は、多くはない。私の生まれるずっと前に、このようなことが日本では起きていたのかもしれない。
確信的な理由はないけれど、二十年来心に留めている内容。セリフも殆ど覚えています。

今回、旅の中で旭川に行き、三浦綾子文学記念館に立ち寄ることもできて、本当に嬉しかった。
陽子が生きた昭和30年代の旭川の街は想像できないけれど、ほんの少し近づいた気がする。
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表の看板には、「氷点」の舞台になった旭川の街の地図。
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この時ムスコが車中で寝入ってしまったし、子どもたちには一つの街に過ぎないので私がやりたい意味を理解してもらえないと思い断念したけれど、いつかこの舞台になっているところ一つ一つを身に歩いてみたい。
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辻口家はちょうどこのあたりらしいです。これには感動。
この文学館周辺は陽子が育った環境に近いらしいのですが、自分がそこにいることが信じられなくて足が震えました。

中には三浦綾子さん、ご主人の光世さんの足跡が描かれているのですが、綾子さんが産まれたころの旭川は私などには本当に想像できない街。おそらく「入植」とか「開拓」とか、そういう時代だったのではないか。
綾子さんのお父さんが遺した言葉「人に逃げ道を作らなければならない(といった主旨。文言は正確には違うと思うけれど)」
確かにそうだと思う。人を責めるのは簡単にできる、大切なのはその人を許し、逃げ道を作ってあげること。今、大地震や大津波や、そして人間の「英知を集結して作った」原発による事故が起こり非常にキリキリする状況にある私たちは、人を責めることに終始してしまい、その人の人間性からは目を逸らし、温かく迎えることができなくなっている。三浦小説はそれを思い出させてくれます。

三浦綾子さんはすでにこの世から旅立っていますが、実は私と誕生日が同じ。
何かつながるものがあるのだと自覚して、これからまた考えながら歩いて行こう。


このように色々と新しい発見や、新たに蘇った思いが交錯し、また改めて「氷点」をはじめ、三浦小説を読みたいと感じました。
by haru-0425 | 2011-08-26 21:34 | 11夏 北海道旅行

13歳女児と8歳男児に鍛えられているWM。


by haru-0425
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